統合失調症は,思春期・青年期に発症する頻度の高い精神疾患です。これまで統合失調症の治療目標は症状・認知機能・社会適応レベルなどの改善でしたが,近年,当事者の側から「人としてのリカバリー(回復)」という主観的で人生のプロセスを重視するアウトカム概念が主張されつつあります。本特集では,専門家のみならず当事者や家族の方々の視点も取り入れ,統合失調症におけるリカバリーについて最新知見が概説されています。