これからの精神医学・精神医療の10の潮流―価値精神医学
「価値とそれが駆動する生活・人生行動ということに自覚的である精神医学」を「価値精神医学(valuesinformed psychiatry)」として、その実践のための理解を深める論文
生活や⾧期的な人生行動を駆動している、本人が意識化していない側面も含む動因を価値(values)と定義、当事者と治療者の価値が異なることに自覚的であることを前提として、当事者と専門職を、「支援される人とする人」ではなく、価値の異なる「関係」者としてモデル化し、当事者の価値を中心に据えて精神医療を民主化し、「治療関係文化」を創っていくことについて述べられている。価値精神医学を理解するためには、当事者側の価値だけでなく、治療者側の価値も自覚することが求められることから、筆者自身の取り組みを通した認識の更新過程というスタイルでまとめられている。
タイトル:精神医学 68巻5号 (2026年5月発行) P758-762 「価値精神医学」
筆者:笠井清登(東京大学大学院医学系研究科・精神医学)
出版社:医学書院